この国の明日

 今年もいよいよおしまいです。

 この時期になると、しんとした冷たい空気の中で、星空を眺めながら新年を迎えた小さい頃の記憶がよみがえります。

 父方の祖父母が健在の頃は、年末年始を必ず父の出た小さな村で迎えました。それは当たり前のことだと思っていました。餅をつき、正月の料理の準備をし、正月飾りを作り、家族が大勢集まって、「行く年来る年」が始まると、氏神様へ初詣でに行く……。

 しかし、平成の世に入ってから世の変化に対して、自分自身までもが、受験だ、就職活動だ、仕事だといって、幼い頃に〝当たり前〟だったことの大切さがまったくわからなくなりました。――悔やまれてなりません(私が、手先があまり器用でなく、身体を動かすことが苦手であったことも災いしました)。

 それでも幸いだったのは、何者かが私に、古文を読めるだけの能力と根気を与えてくれたということです。何か、この国の将来のためにできることはあるという思いで書き始めたブログも、約一年続けることができました。

 今年は、伊勢神宮の式年遷宮があったりしたせいもあると思うのですが、神社や日本の神々に興味を持つ人たちも増えてきました。実際、多くの有名な神社の鳥居や社殿の荘厳な姿を、コンビニの雑誌コーナーですら目にすることが多くなりました。

 また、なぜか私はこの年末、友人から借りっぱなしだった「世界の中心で愛を叫ぶ」のTVドラマ版のDVDを手にして、見ています。私はこの小説にはまるでぴんとこなかったのですが(読んですぐ古本屋で100円だか50円だかで手放しました)、ドラマには心を動かされています。アキとサクの清純な思いが、ドラマのロケ地である伊豆松崎という小さな町の美しい自然の姿そのものと重なるからです。きっとドラマ制作のスタッフは、脚本に土地を合わせるのではなく、土地に作品の主題を委ねたのだと思いました。

 まだ、この国からすべてのものが消え失せたわけではないのです。

 一つは、有名な神社を崇敬し、神話や神々といった自らの国・民族のルーツに興味を持つ人々がまだまだある(増えてもいる)からです。
 もう一つは、まだ破壊されていない自然とその土地に根差した生活の残る地が、決してそこで閉鎖することなく、様々な現代のツールやネットワークを用いて、全国へと情報を発信していくこと(そして、そこに足を踏み込んだ人たちもまた、その土地と人々を尊重する態度であること)が可能だからです。

 来年は皆さんにとって、この国にとって、もっと良い年であることをお祈り申し上げます。
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